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受験 個別指導

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病気は治すものではなく祓(はら)うもの

寒さがいっそう厳しくなってきました。この時期は毎年かぜやインフルエンザが
流行しますが、みなさんはどのような予防対策を講じていますか。


 科学と情報網が発達した現代、私たちは手洗いやうがいなどのちょっとした習
慣がかぜの予防に効果的であることを知り、簡単に実践することができます。そ
して、万が一にも感染した場合には、さまざま治療に頼ることができます。


 では、医学に裏打ちされた知識が確立・浸透していなかった時代の人々は、ど
うやって病気に立ち向かっていたのでしょうか。


 実は、ひと昔前まで、病気は治すものではなく祓(はら)うものという観念の
もと、病魔を取りのぞく施術としてお呪(まじな)いが日常的に行われていまし
た。
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 今回は、その呪術の一端をのぞいていくこととしましょう。


 博物館には、「符形大事(ふがたのだいじ)」という古びた手書きの冊子がい
くつかあります。これは、久慈市山根地域の修験(しゅげん)(後に神職)の家
で代々受け継がれてきた古い文書群の一部で、江戸時代末期、明治2(186
9)年、新しいものには昭和5(1930)年に筆写したことが記されています。
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 その内容は、「かゆいところに手が届く」お呪いの実用集といったところでし
ょうか。日常生活で起こりうる悩み事や困ったことを解決する、あるいは雑多な
願い事をかなえるために有効な呪符・護符の作り方100余例が「いろは」順に
記述されてあります。


 ちなみに、この文書に書かれたノウハウは、当地で独自に生まれたものではあ
りません。江戸時代を中心に一般に出回ったお呪いの教本「邪兇咒禁法則(じゃ
きょうじゅごんほっそく)」「呪詛(まじない)調法(重宝)記」などの刊本を
写し取ったものと考えられます。
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 しかし、「符形大事」に筆写された内容は、それらの書物にあげられた用例の
ごく一部に過ぎません。おそらくは、当時の普遍的な悩み事を解決する呪符・護
符の文言だけが抜き書きされたのでしょう。それは今を生きる私たちでも共感で
きる、次に挙げるようなお呪いで構成されています。

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 (1)人間関係


 「衆人愛敬守」「人の口とむ(め)る符」「男女に縁なきに吉」「男女和合
符」「沙汰(さた)(訴訟・裁断のこと)勝守」


 (2)家や仕事、趣味


 「屋堅(新築祝いのこと)の札」「盗人来たらず符」「商売に取りかかる守」
「博奕(ばくち)に勝守」


 (3)出産や育児


 「難産符」「衣那下(後産がおりる)時の符」「子夜鳴能(子どもの夜泣きに
あたえる)符」「女乳不足(母乳が足りない時に)呑(の)む護符」


 (4)病気や体調不良


 「キノコに酔いたるに呑む符」「風引きに呑む符」「鼻血留(鼻血をとめる)
符」「ノド腫れたる符」

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 これらのうち、病気や体調に関するお呪いは9割を占め、病魔の除去がいかに
切実な問題であったかをうかがい知ることができます。


 お呪いは、非科学的な事象を淘汰(とうた)する傾向にある現代社会において
も、生活の一部分に息づいています。呪符を作って、今季こそはインフルエンザ
を免れたいと感じた方もいらっしゃるのではないかと思います。


 しかし、この文書群には、呪符を作る前に行う厳格な作法を記したものもあり
ます。今も昔も、願いを成就するためには、相応の努力をはらう必要があること
を物語っています。

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