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新医療保険料、都道府県格差2倍 75歳以上対象

 75歳以上のお年寄りを対象に来年4月から始まる後期高齢者医療制度で、都
道府県ごとの1人あたりの保険料の平均額は、最も高い神奈川の年額9万275
0円に対し、最も低い青森が4万6374円と、約2倍の格差があることが26
日、厚生労働省の調査で明らかになった。全国平均の1人当たりの保険料は年額
で7万2000円、月額は6000円程度だった。
保険料の設定は、所得水準や地域の1人当たりの老人医療費を反映させる仕組み。
このため、大都市圏や老人医療費の高い地域が上位に来ることになった。

 都道府県別にみると、最高の神奈川に次ぎ、東京が9万1800円、大阪8万
8066円と、平均を大きく上回った。一方、最低の青森に次ぎ低かったのが、
岩手4万7733円、山形4万9000円など。

 格差が開いた理由は、地域ごとに高齢者の所得水準に大きな開きがあることに
加え、1人当たりの医療費についても、最高の福岡と、全体的に水準の低い東北
各県や長野では最大1.5倍の差があることが影響した。

 地域の所得格差を除き、平均的な額の厚生年金を受給している単身世帯(年額
201万円)で比較すると、保険料の高い順では(1)福岡(2)高知(3)香
川など。低額なのは(1)長野(2)岩手(3)静岡――となっており、最高と
最低で1.4倍の開きがあった。

 新制度では、後期高齢者の医療費について1割を高齢者の自己負担とし、残り
の9割を保険から給付する。このうち、5割は税金でまかない、4割は現役世代
の保険料から拠出、残り1割を高齢者自身が保険料として負担する。運営主体も、
現在高齢者の大半が加入する国民健康保険を担う市町村から都道府県単位の「広
域連合」にする。

 現在の国民健康保険では、市町村ごとに保険料水準に約5倍の格差があるうえ、
今回、徴収対象が世帯単位から個人単位に変更されるため、従来と比べて、個人
の保険料負担の増減は一概には言えない。厚労省では、全体の平均の負担は現在
とほぼ同水準とみている。

 75歳以上のお年寄り約1300万人のうち、会社員の子供の扶養家族で保険
料を支払う必要のなかった高齢者が200万人いる。この人たちは新たに保険料
負担が生じることになる。

 ただ、与党はこの人たちの保険料徴収を半年先送りし、次の半年は9割減額す
る方針を決めている。今回の集計ではこうした減免措置は考慮しておらず、初年
度の実際の平均保険料は試算よりも低くなる見通しだ。


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